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2015年10月

2015年10月16日 (金)

税理士が待ちこがれていた「クラウド会計にぴったりの人」

IC協会の広報委員を担当するプロミッション 中村貴彦さんのクラウドサービスの活用を前提に今年から会計業務を支援することになった税理士の高橋俊介先生に登場いただきます。

高橋先生にとっても初の安価なクラウド会計サービスを通じた会計支援ということで、導入のポイントや今後の可能性などの話を伺いました。
 
小林:税理士の方は、安価なクラウド会計サービスを活用することにあまり積極的でないと聞きます。
 
最初、プロミッションの中村貴彦さんから
「freeeなどによるクラウド会計を導入したい」
と相談をうけたとき、正直どう思われましたか?
 
高橋:中村様には失礼なお話ですが「幸運」と感じました。
 
小林:え、そうなんですか?
 
高橋:後述しますがクラウド会計にはメリット・デメリットがあります。
 
導入する企業の
(1)ビジネスモデル
(2)ビジネス規模
そして、
(3)導入担当者の経理への興味、
などの度合いによって、全く異なる姿になります。
 
小林:ぜひそのあたりを詳しく伺えますか。
 
高橋:税理士としては、メリットがある以上feeeやmoney fowardは今後取り組みたいソフトです。けれども、残念ながらこのソフトにぴったりと当てはまる方と出会えていない状況でした。
 
中村さんは、ITに詳しく、経理を積極的に学ぶ姿勢があるので、うまくメリットを享受できる方なのです。ようやく出会えたと感じました。
 
小林:運命の人だったんですね(笑)
 
中村さんは、ITを活用した業務改善や新規事業開発の実績が豊富なので、ITに詳しく経営的な数値にも強い、しかもインディペンデント・コントラクターとして、一人で複数の企業と仕事をしています。先の3つの条件が整っていたのですね。
 
今回、インディペンデント・コントラクターがクラウド会計を導入し、今後どのような可能性を感じますか?
 
高橋:期待する可能性は2つです。
 
(1)インディペンデント・コントラクターが増えること
(2)インディペンデント・コントラクターが幸せになるツールとなること
 
小林:まるでインディペンデント・コントラクター協会のミッション(インディペンデント・コントラクターという働き方を普及するをPRしていただいているような感じですね。ありがとうございます。
 
そうはいっても、誰もが導入できるわけではないと思うのですが、どのような事業や人に適していると思いますか?
 
中村貴彦さんは「簡単だよ」とおっしゃるのですが、絶対そんなことないと思うんですよね(笑)
 
高橋:安価版クラウド会計をお薦めしたいのは、下記のような素養のある方です。
・インディペンデント・コントラクターとして生きる決意のある方
・ITへの抵抗が無く、変化に積極的な方
・「正しい」ことを積極的に調べる方
・経理に詳しい方 若しくは 税理士(専門性の高い人)とつながりのある方
 
逆に、
・小売業、飲食店業のように、不特定多数の方と現金で頻繁に取引される方。
・人材派遣業や流通業、個人少額サービス業など、従業員が多数必要な方。
・メーカーなど原価計算や在庫管理が重要な方。
 
こういった方は、クラウド会計のメリットを活かしきれないので、あまりお勧めしません。
 
小林:独立した人がどこでも快適に仕事をするにはITを使うことは避けられませんし、常にかなり積極的に学ぶ姿勢も必要です。ンディペンデント・コントラクターとして活躍するために持っておくべき素養があれば、大丈夫なのかもしれませんね。
 
「インディペンデント・コントラクターが幸せになるツールとなること」についてもう少しお話を伺えますか?
 
高橋:日本の税金は「会社」という組織に大部分の責任が任されてきました。
 
会社は、個人を雇用し、給与を支払、源泉所得税と年末調整という仕組みを通して、その個人の収入と税金計算に責任を持ちます。
 
これは個人としては楽ですが、代わりに「自由」と「能力発揮」「お金を考える機会」を犠牲にしています。
 
小林:確かに会社員の時は、税金などはほとんど意識しませんでした。
 
高橋:私は、個人がお金のことを理解し、自らの意思で決断しながら、能力を最大限発揮できる環境に身を置くことが、労働において最も重要だと考えています。だから、私はインディペンデント・コントラクターという考え方・働き方に共感し、もっと増えたほうが良いと考えているのです。
 
小林:とても勇気づけられる言葉です。
 
高橋:ただし気をつけなければいけないのは、会社員と異なり、インディペンデント・コントラクターは、自分の収入と税金について、自分で責任を持たなければいけない、ということです。
 
会社からお金をもらって生活をする、それは同じなのに、全く異なる責任も発生します。
 
クラウド会計によって経理が楽になれば、その責任を果たせます。むしろ、クラウド会計によって自計化が果たせれば、サラリーマンと違い、収入も支出も、明確に数値化できるのです。楽に責任を果たし、そこで作成した会計が、人生を豊かにするツールになってほしいと期待しています。
 
小林:良いことばかりのようですが、気をつけておいたほうが良いことも教えていただけますか。
 
高橋:クラウド会計はまだまだ発展途上です。
そして、会計が「楽」になるというメリットと、会計処理が「適当」になるリスクが存在します。
 
小林:リスクは特にどのような点ですか?
 
高橋:会計処理には最低限抑えるべき会計基準(ルール)があります。

この会計基準というものは、税務上はもちろん、経営ツールとしても実はとても大切です。

その点、クラウド会計の
・入出金という「現金の動き」をベースにした会計処理
・自動取り込み機能による、摘要(入出金の相手先や取引内容メモ)の不完全性
は一歩間違えると、途端に会計基準から外れる原因になってしまいます。
 
小林:そのあたりのお作法は、やはりプロの方と一緒に導入しないとわからない点ですね。
 
高橋:確かにクラウド会計は、初心者でも使いやすいソフトですが、決して経理を知らなくても使えるソフトではありません。
 
その点を理解し、正しい会計基準を上手に情報収集しながら、うまく使いこなせるよう向上心を持って取り組む。状況に応じて税理士を活用していくのが、これからの会計だと私は考えています。
 
小林:クラウド会計を単純に「だれでも簡単に導入できて、低コストで会計処理ができる」というふうには考えないほうがよさそうですね。

自らもITを活用し、会計についての情報感度を高めることで、会計の効率化を図るだけでなく、経営に欠かせない数字力を高めていくことができるのかもしれません。

高橋先生、とても勉強になりました。ありがとうございました。
 
話者:高橋俊介(税理士)、聞き手・文:小林利恵子(opnlab/IC協会 常務理事)
 
■関連セミナー:
開催日:11/5(水)
スピーカー:中村貴彦(プロミッション/IC協会広報委員)高橋 俊介高橋会計事務所・税理士)
 
<プロフィール>

高橋会計事務所
高橋 俊介(税理士・株式会社MAST代表取締役)
フリーランス事業者・小中規模法人を中心に、必要な情報を、最適なタイミングで積極的に提案する提案型税理士。
 
1986年東京生まれ(29歳)。立教大学法学部卒業後、株式会社インテリジェンスに入社。キャリアコンサルタント、医業向け人材紹介部門立上に従事し、社内MVPを受賞。
 
2011年4月より、高橋会計事務所にて、中小企業の経営支援に従事。従来の記帳代行・申告代行のみの税理士サービスに疑問を感じ、Bain & Company出身のコンサルタント達とコンサルティングネットワークを構築。
世界トップレベルのコンサルティング手法を学び、ベンチャー企業から大企業へと進化していく際のあらゆる問題解決に携わる。同時に、税理士ネットワーク㈱TKCに入会し、中小企業の 経営危機改善や長期的成長支援を経験。
 
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2015年10月14日 (水)

プロワーカーの「経営力」を高める会計の見える化(後半)

小林:記事の前半では、クラウド会計導入の効果をお話しいただきましたが、後半では導入時のポイントを聞いていきますね。
 
高橋さんのようなITに強い会計士さんをどのようにみつけたのですか?
 
中村:見つけたというよりも、私が要求したクラウド会計に柔軟に対応してくれたのが税理士の高橋俊介さんだったのです。
 
もともと自分のクライアントがお世話になっている会計士さんでした。その方が偶然近所に住んでいて、さらに前職で同じ会社でもあったりと、何かとご縁がありました。
 
小林:それはいい出会いがありましたね。

中村:今回お世話になった高橋さんが特に良かった点は、

・スピード感ある対応
・IT等への柔軟な対応
・能動的なレポーティング、コンサルティング能力

特に、3つ目の「レポーティングとコンサルティング力」には非常に助かっています。
 
小林:確かにそこは本来会計士さんにお願いしたい業務です。・・・あれ、プロフィールをみるとまだ20代ですか!ますますすごいですね。
でも今回のような仕組みや体制は、ITに強い中村さんだから構築できたようにも見えます。ITに詳しくないと敷居が高いような気がしますが・・・
中村:まったく難しくありませんよ。
PCにインストールしてある会計ソフトがクラウドになっただけです。むしろハードルが高いのはITではなく会計全般の知識の方なのではないでしょうか?
 
小林:あ、耳が痛い。
「クラウド会計」で、個人事業主・ICにとって、特におすすめの点はなんでしょう?

中村:やはり個人では限界があるセキュリティの確保と、最低限の労力で必要な経営状況を把握できることです。

小林:そういえば仕事の会計だけでなく、個人の会計もクラウドを活用しているそうですね。

中村:会社の会計はfreee、プライベートの家計管理はmoney forwardを使用しています。

どちらも最大の特徴は、現状の資産管理が把握できたことがもっとも大きいです。特に家計管理はお金の向き合い方が劇的に変わり、お金も貯まり始めました。
小林:そうなんですか!今度そのあたりも聞かせてくださいね。

話者:中村貴彦(プロミッション/IC協会広報委員)、聞き手:小林利恵子(opnlab/IC協会常務理事)
 
 
■関連セミナー
開催日:11/5(水)
スピーカー:中村貴彦(プロミッション/IC協会広報委員)高橋 俊介高橋会計事務所・税理士)

2015年10月 8日 (木)

プロワーカーの「経営力」を高める会計の見える化(前半)

独立起業した人にとって、重要だけど後回しになってしまう「会計処理」。これがクラウドでかなり楽になり、経営的にも効果があるといいます。そこで、インディペンデント・コントラクター協会では、実際にクラウド会計を導入して効果を実感しているIC協会会員の中村貴彦さん(IC協会 広報委員)に、ICのためのお金の管理術セミナー「独立した人のためのクラウド会計とマイナンバー対応」(11/5)で、お話しをしていただきます。セミナー開催の前に、少しその概要を伺いました。
 
*** 
 
小林:中村さん、会計処理を効率化されたと前から話されていましたが、せっかくなので、この場で、じっくり効果のほどを教えていただけますか?
 
中村:自分で言うのもなんですが、すごいですよ。
 
費用的には半分です。以前は、経理のアルバイトと会計事務所に支払うコストに年間45〜50万円程度かけていました。ところが、2年前にクラウドサービスを導入し、2015年に会計事務所を変更した結果、25万円になったんです。
 
小林:うわ、半分ですか。

中村:でもさらに効果を感じているのは「時間」です。

特に決算期。自分自身が事務処理に費やす時間が劇的に減りましたね。使っているクラウド会計サービスは、取り込んだデータを自動的に仕訳してくれます。これ、かなり強力で、数年前に比べて工数は40%程度になったと思いますね。
 
小林:コスト削減も魅力的ですが、もっと「攻め」な効果もあったようですね。

中村:経営数字の見える化です。これがもっとも重要です。

かなり精緻な数字でリアルタイムに経営状況と収支が管理できるようになりました。もともと収支レベルの予測は立てていました。今では財務会計レベルで予測を立てられるようになったのです。

クラウドを通じてリアルタイムに会計士の方と情報を共有し必要に応じて、勘定科目が適切か等をチェックしてもらうことが可能です。

また、非常に便利なのが領収書やクレジットカード等経費明細の自動取り込みです。自分で仕分けする雑務をなくすことができたのは大きいですね。
 
小林:ただ、クラウドサービスにセキュリティの不安を感じる人もいらっしゃいますよね。

中村:自分のPCで会計ソフトを使用する場合にも「データ喪失、ハッキング」などリスクはあります。
むしろ個人(特にITリテラシーが高くない人)が自身でセキュリティーやバックアップに手をかけるのは、知識的な限界があります。

一方で、専門性の高い企業が堅牢なデータセンターで運用管理するクラウドの方がセキュリティーは高いと私は考えています。
 
話者:中村貴彦(プロミッション/IC協会 広報委員)、聞き手:小林利恵子(opnlab/IC協会 常務理事)
 
 
 
■ICのためのお金の管理術セミナー(11/5 18:00-20:00)

「独立した人のためのクラウド会計とマイナンバー対応」
 スピーカー:中村貴彦(プロミッション 代表)、高橋俊介(税理士)、中畑慎博(中小企業診断士)
 
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